28年の夢と昇龍

僕は毎月必ず同じ夢を見ます

それも28年間

……

 

「お願いしまーす!」

 

 

声が森の中に響き渡る

あたりはすっかり暗い

 

 

学校の授業を終えて始まる練習も

時間は19:00をまわっている

 


http://www.yakei-isan.jp/spot/detail.php?id=010

遠くに札幌のネオンが見えるここは山の中にある
荒井山ジャンプ場

 

すぐ下に旗を振る男性が

ピーッ 笛で合図する

 

 

ゆっくりと手をゲートから手を離す

 

どんどんスピードが加速加速加速

 

太ももに重いGがかかる
(ググググっという重圧)

参照リンク先

https://www.nippon.com/ja/japan-topics/g01056/

 

 

潰されそうになりながら

重心が後ろにならないように耐える

そして

ジェットコースターのように
(時速70kmほど)

一気に近づく踏切台までくる

(その間3秒)

 

薄暗く

踏み切る瞬間が見えない

 

踏切台が目の前にきた瞬間

 

「きたっ!」

 

思い切りとぶ

風圧がブゥァンと板にかかる

体がふわっと一瞬浮く

飛行時間は3秒〜4秒

 

飛行機のような

風をきる音を感じながら

 

目の前の青いラインを超えて
赤いラインとの間に着地

 

 

ここで夢から覚める


参考サイト
https://blog.goo.ne.jp/tudukimituo1028/e/cb8bc69d8ecf8c322d092bff5e4b701d

 

これを28年間見続ける私

小学校5年生の頃、歩いて木の階段をのぼってスタート台へ向かう

 

もちろん

ジャンプで転倒した夢(げんなり)

P点さえ届かない夢も(がっくり)

 

自分のモチベーションで飛距離が変わる

なんともわかりやすい夢…。

 

そこには当時からずっと悔やんでも悔やみきれない

できればもう一度スタート台に戻ってやり直したい想いがあります

 

1997年 中学校2年生

僕は札幌スキージャンプ団に所属しており

当時一度もP点(最低距離の青いライン)に
届く事なく

最後は

嵐山というジャンプ台で思いっきり転倒

 

親にせっかく買ってもらった

新しいジャンプ用スキー板(10万円)

 

はじめてそのスキー板をはいたその日に折ってしまった。

 

嵐山という旭川の旧ジャンプ台(K点70m)

着地にしっぱいし転倒

みごとなほど真っ二つに折る

 

右足もかるく捻挫

 

その時に感じた

痛さよりも何よりも

自分の姿が恥ずかく惨めでその場から逃げたくなった

以後

野球一筋へと競技を切り替えた28年前

 

ありがたくも水墨画で描かせて頂く「龍」

とりわけ「昇龍」をイメージして描く時

 

怯えないで

おもいっきり空高く飛べるように

ときより龍にのせて想い描き

雲を突き抜けていくかっこいい龍の姿を

スキージャンプと重ねる事がある

 

「龍」の絵を手に取ったその方とその周りの方々が

上昇気流にのって

空高く飛び立てますように

 

向かい風を利用して(キャッチして)

人生のK点に向かって

飛んでいけますように