アメリカ紀.5

農場で働く前の3日間は

本番前最後の研修となりました…そして

「わかるな?もう後戻りできんぞ」

ということで福田氏に脅されました

アメリカの農場は遊び場ではない

農業を通じて

精神を鍛える場鍛練の場,成長の場

ルールありました

例えばこの3つ

①「休日などないものと思え」

②「両親とのやり取りは手紙のみ

③「携帯、PCは基本的に使用禁止

もし携帯電話を使ったら日本に帰国

 

….いざ!農園へ!

まず驚いたのはボスが日本人で名前は

(へっ?!なんで?)

英語を学びたい前提で農業に従事も

従業員がアメリカ人なので問題ない。とのことだった(まぁ..いいや)

農場へ向かうにつれて緊張してきた

手に汗握った(ドキドキ)

今から見るであろう農場でどんな経験をするんだろうか

きついんだろーなぁという不安(泣)

やってやる!という気持ちと

高級住宅街にあるTassajara Nursery

(タサハラ ナーセリー)

サンフランシスコから車で2時間半移動。Danvileにある

東京ドーム2つ分以上の園芸農場。

赤羽さんとまさこさんのご夫婦が出迎えてくれた緊張

それからの3ヶ月間は今も忘れられぬ天国となった

ではその赤羽さんを紹介します

青コーナー

身長168cm体重50kg(74歳)

Boss AKABANE さん

いきなり面食らった!

「外食禁止令」

朝、昼、夜と全て自炊

はい。自炊です

僕たちが寝泊まりする家は農園の中にトレーラーハウスとして立っており

仕事が終わりお店の駐車場の鍵をかける

 

外出できなくなる事を意味します

(写真は2005.5.21(車がないので店が開く前の時間))

例え外出しても周りには何も無く昼休憩で外食?絶対にありえません

1日の流れはこうだ↓↓↓↓

朝6:00起床

6:30までに米をとぐ。炊く準備

(トレーラーハウスには4人住んでいた)

6:50 駐車場のゲートをオープン

8;00の営業に合わせて掃除

ブロワーや植物の水やりチェック等

11:30〜12:00 昼食

12:00〜18;30 仕事

18;30から自習

19:30 夕食

22:00 就寝

中でも昼休憩はきつかった

休憩1分でも遅れるものなら

赤羽さんご夫婦から怒鳴られた

こんな広い4エーカーの敷地で何故わかるのって?

理由は簡単

常にトランシーバーを携帯してる為

11;30分になったらこんな感じで言うんだ

シーバーに口を近づけて

「koichi  is going to Lunch 」

それを何処かで聞いたボスは時計をサッと確認

そのちょうどピッタリの30分後…

ザーーー(シーバーの音)

「コーイチ君 今何処なの?」(小さな声で)

と入ってきたらもう…大パニック!

大慌てでトレーラーハウスから農場へ戻ります

そして….

目をつけられます…(泣)

さぁ休憩だっ!!部屋までダッシュ

(歩いた分だけタイムロス)

靴を速攻で脱ぎ、汗拭いたりで3分経過

トイレ?有効に時間を使わねば!

そのおしっこしてる時間さえもったいない(休憩前にします)

フライパンを取り出しすぐに昼飯のおかずを作る(10分経過)

ウィンナーと卵焼きを作って(火力は最大に)

朝に炊いておいたご飯をモリモリにして

日本からもってきたふりかけをご飯にかける

5分で完食

12:00から別の研修生が休憩はいる為

食後はすぐに茶碗や台所を洗浄

時計に目をやると

11:53分(残り7分)

すぐにCDラジカセから

4:30秒の音楽を流す(オムニバスのNowシリーズ)

大の字になりじゅうたんの上で寝る

一曲終わると11:58分になる計算

曲が終わりに近づくと..いつも思うのが

「もっと寝てたい」

そんな気持ちを押し殺して

速攻で玄関へ。靴紐をしばってる時

ザーーーーー(シーバーの音)

「Takahiro going for Lunch」

やばい、たかひろ君が昼休憩はいる!

(トレーラーハウスにやって来ますので僕が家にいたらバレます)

と走って水やりの場へ戻る。

はじめは気持ち悪くなって食べた昼ご飯吐いたり

とにかく30分の昼休憩が10分位に感じました

こんなことを1年間続けます(馴れます)

監視員のようにいつでも何処でも

我々は監視されていたのを覚えてます

ふぅぅぅ

(走馬灯のように思い出しとりあえず緑茶を一口)ゴクリ

さて

赤羽さんの次男をマット(IKUOさん)を紹介します

赤コーナー

身長175cm体重95kg(34歳)

IKUO AKABANE!!

大学ではアメリカンラグビー所属NFLでドラフト指名候補

声が宇宙戦艦ヤマトの大砲の如く

低く太く

IKUOさん

毎日シルバーピアスをし赤羽さんの次男として

花や植物、木々に水やりを一緒にしました

(範囲が東京ドームより広い為セクションを分割)

上記の写真はRetail(お店)の一部これにWhole sale(卸売り場の畑も加わります)

今も心にIKUOさんを想像すると

Hey Koichi!!(にやっ)

と目の前に現れます。

 

 

日本のとあるプロレスラーそっくり

日本語は全くできません

馴れてきたら業務用の英語のみ(一緒に食事?一度たりともありませんでした)

コニュニケーションが中学英語でギリギリの私は(一応英検準2級)

ほとんど相手にされず

仕事で使う言葉のみ。単語のみ。英語はほとんど上達…

(良い訳です)

 

おい、何度いったらわかんだ??

IKUOさんから怒られる要因はこちら

 

頼まれた仕事の内容を私が勘違い(英語のリスニングが苦手)

それが積もりに積もりいよいYO

山の大爆発

しかしそこはアメリカ人

翌日にそのミスの事は一切言ってきません

(日本人特有?いつまでも尾を引いてネチネチとミスを責め立てる事はない)

しかしこちらは分かっていたつもりなのに

しっかりと英語を聞き取れず

毎日へこんで腹を壊してました

 

ご想像下さい

貴方の前にレスラー天山

「おい、◯◯にいって◯◯手伝ってくれ」

って言われて

“Sorry Say it again ?”

”I beg your pardon?”

「もう一度いって頂けますか?」

これを1回は言えるでしょう?

2回本人を目の前で言えますか?(IKUOさん苛立ち始める)

勇気をもって

3回言えますか?(目が鬼)

4回………

そしてミスをします。

僕が相手できっとIKUOさんも疲れた事でしょう

目の前に新人の外国人スタッフが採用され

仕事が馴れるまで

もう一度ゆっくり説明して下さいと

片言の日本語で毎回、毎時間、毎週、毎月言われたら

そりゃメンドクサイでしょうね

園芸農業での仕事はそれは多岐に渡ります。

やることはいくらでもある

結局。単語。 

ジェスチャーだけで理解できるようになる

そんなコミュニケーションを通じての仕事となり

(忙しい時は余計に)

そうなるともうロボットと一緒じゃんってよく

思ってました

アメリカ紀5 へ つづく